去る10月25日(木)仙台市内にある宮城野区文化センターにて当法人と当法人後援会共催による『共生社会を考えるセミナー 明石洋子氏講演会 ~地域の中でありのままに生きる~」を開催しました。

 

明石洋子さんは社会福祉法人あおぞら共生会(神奈川県川崎市)の副理事長を務めており、知的障がいと自閉症をもつ長男・徹之さんの成長と共にバリアフリーとノーマライゼーションの実践を重ねてこられた方です。その功績から平成29年度に徹之さんと共に糸賀一雄記念賞も受賞されました。

 

講演の中では徹之さんの成長と共に自分自身の価値観や「幸せ」の考え方も大きく変わったこと、ご自身が徹之さんを「可哀想な子」として見ることや「普通」を求めることを止めたこと、様々な障がい者のボランティアに関わったことで人権意識や親の立場を考えさせられたことなどが語られました。

また、講演の後半で流れた映像では、徹之さんが活き活きと仕事をされる様子や、明石洋子さんが地域の方々へ徹之さんや自閉症の理解を広めるために作ったお便り(てっちゃん通信便り※現在の明石通信)を配布する様子が流れました。

 

障がい者と実際に接したことのないと言う無理解や体験の無さが差別を生むこと、障がいあっても地域で生きることは本人の意思決定を尊重し多様性を認める社会につながることなど体験に基づくメッセージもいただき、「共生社会は理想を語るものではなく、『人権』と言う信念の上に実践と実動を続けること」と感じる時間となりました。

 

当日は第1部、第2部合わせて約200名の方にご来場いただきました。アンケートのから皆様の声を紹介いたします。

 

◇「こだわり」を止めるのではなく、そのこだわりを活かしていくという考え方がとても印象的でした。徹之さんは、自分の仕事をいきいきと働いていて、それは洋子さんをはじめとする家族や地域の方々、周囲の人の理解と努力が蓄積されてきたのだという背景を強く感じ、とても学ぶことの多い、いい機会になりました。

 

◇ノーマライゼーションへの思いがわかりやすく伝わってきた。とても興味をもって、時間がとても短く感じる講演でした。とても勉強になりました。

 

◇自閉症を持つ子供の母親です。もっと早くお話を聞ければ良かったのにと思うことしきりでした。もっと地域の人々に自分の子供を知ってもらう努力をしなければと思いました。

 

◇支援をするなかで「家での100回のおはようより、(豊富な人から)地域での100回のおはよう」が今後に生かせると思った。あいさつをよくする利用者さんがおり、その強み、思いを支援したいと思った。

 

◇特別養護老人ホームで実習をしているのですが、理想(授業でやること、職員に聞くこと)と現実のギャップに困っています。どうしたら利用者が最期まで幸せな状態でいることができるのだろうか。ここは家だと言いながら、どっからどう見ても普通の施設。ここに入りたくないし、親も入れたくない。地域や家族から切り離される生活。今回のセミナーで地域の力が大事だと感じた。施設をよりよくすることだけでなく、地域の人とどうやったら関わっていけるかを考えていきたい。

 

明石洋子さん ご多忙にもかかわらずご講演をいただき、ありがとうございました。

また、参加いただいた皆様も平日にも関わらず足を運んでいただき、ありがとうございました。